診 療

受診される前に問診票をプリントアウトして記載していただくと待ち時間の短縮にもつながります。
初診問診票     
再診問診票

熱型表は病気の推移や診断に役立つ情報となります。お家で記載して、受信時には忘れず持参してください。

発 熱

1.小児は大人に比べて一般的に体温は高めです。 37.5℃を超えなければ有熱と考えなくてもいいでしょう。
  特に夏場は37.5℃を0.2~0.3℃高くなることも良くあります。小児の発熱を考えるには全身状態を慎重に
  見極める必要があります

   全身状態良好   機嫌が良い・食欲良好・活発に行動
   全身状態不良   機嫌が不良・食欲がない・不活発

夜間の発熱で、全身状態が良好であれば翌朝にかかりつけを受診してもよいと思います。全身状態が不良な場合は
姫路市の「夜間休日急病センタ」を受診してくださ。

              

2.年齢に依存した疾患があります
  A. 生後0~2ヶ月

   全身状態良好  感冒などのウイルス感染症
尿路感染症等
   全身状態不良  髄膜炎・敗血症・川崎病等
  B. 3ヶ月~1歳

   全身状態良好  感冒・突発性発疹症・中耳炎
尿路感染症等
   全身状態不良  髄膜炎・川崎病・敗血症
  C. 1歳~5歳

   全身状態良好  感冒・中耳炎・尿路感染症等
非細菌性肺炎
   全身状態不良  細菌性髄膜炎・敗血症・川崎病 悪性腫瘍等
  D. 5歳以上

   全身状態良好  感冒・中耳炎・尿路感染症等
 非細菌性肺炎・膠原病
   全身状態不良  細菌性髄膜炎・肺炎・敗血症・ 川崎病・悪性腫瘍等



RSウイルス感染症

RSウィルスは例年、秋から流行が始まり、年末をピークに消退するのですが、今回は今現在も続いています。RSウイルスはボルチモア分類では第5群に属し1本の鋳型RNAの遺伝子を持ち、A型とB型に分類される。RSウィルス感染症は、RSウィルスの感染による呼吸器の感染症です。広い意味での風邪の一種です。近年免疫クロマトグラフィー法などによりウイルス抗原を簡便に検出できるようになり診断がつくようになりました。

. 咳やくしゃみ、または会話をした際に飛び散るしぶきを吸い込む飛沫感染や、ウィルスがついている手指や物品(ドアノブ、手すり、スイッチ、おもちゃ等)を触ったりしての接触感染で感染します。環境中では比較的弱いウイルスで、55°C以上の加熱、界面活性剤、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系消毒薬などで速やかに不活化されます。

通常1週間ほどの潜伏期間を経て発熱、鼻汁、咳嗽などの症状が数日続きます。多くは軽症で経過しますが、重くなる場合には、その後咳嗽・喘鳴が出る、呼吸困難となるなどの症状が出現し、場合によっては、細気管支炎、肺炎へと進展していきます。感染によって重症化するリスクの高い基礎疾患を有するお子さんや、生後3か月未満の乳児への感染には特に注意が必要です。

確定診断にはPCR法による遺伝子検出か、免疫クロマトグラフィー法などによりウイルス抗原を検出する方法があります。

 RSウィルス感染症には特効薬はありません。治療は基本的には対症療法(症状を和らげる治療)を行います。

 また、臨床応用されているワクチンも最近完成し高齢者を対象に実施される予定です。

 その他の予防方法としては、遺伝子組換え技術を用いて作成されたモノクローナル抗体製剤を1か月ごとに筋肉注射することにより、予防する方法です。
RSウイルス感染症Q&A

 

1)      Kapikian AZ, Mitchell RH, Chanock RM, et alAn epidemiologic study of altered clinical reactivity to respiratory syncytialRSvirus infection in children previously vaccinated with aninactivated RS virus vaccine.

Am J Epidemiol 89405?421, 1969




肥 満


肥満度を決定する要素は体重と身長です。
大人の場合は、身長が伸びるという ことはほとんどないので、肥満度を下げるには体重を下げないと肥満度の低下 は望めません。 所が、一般的に小児は 1 年間に5~10cm の身長の増加が見込めます。今たと えば、身長 143.2cm 体重 53.4kg では肥満度は 42.4%ですが、現在の体重を維 持したままで 1 年後の身長は 150.2cm(1 年間で7cm 身長が伸びたとして)肥満 度は 24.2%となります。
従って小児の肥満度を改善するには、現在の体重を維持することを心がけて ください。厳重な食事制限は発育に悪影響を及ぼします。 当院では肥満で受診された方には「言い訳体重表」をお渡ししています。現 在の体重より増加したときには「言い訳」を考えて食べ過ぎを反省してその原因を記入してください。






色覚異常

お子さんが、本来緑色をしている植物の葉を茶色に塗った りするような時には、色覚異常の可能性があります。ご両 親に異常がなくても色覚異常のお子さんが生れることが あります。色覚異常の発生頻度には男女差があります。 伴性劣性遺伝が関係し男性は20人に1人、女性は500 人に1人の頻度で発症します。
詳しくは






吸入療法はどのようにやればいいの

吸入療法は文字どうりお薬の吸入により治療しようという方法です。吸入薬は、喘息などの病気に対して、炎症が起きている気管支に直接的に薬を届けることができます。内服薬の100分の1とか10分の1程度のとても少ない量で、 効率よく、的確に病気の場所に薬剤を届けることができ、更に最小限の副作用で治療効果を期待できるという訳です。

 1ディスカスを使った吸入  

 2.スペーサー(補助具)を使った吸入  

 3.ネブライザーを使った吸入  




水いぼ(伝染性軟属腫)

正式な病名は伝染性軟属腫です。ボルチモア分類では第Ⅰ群で2本鎖のDNAをもち、ポックスウイルス科に属するMolluscum contagiosum virusによって発症する皮膚感染症の一種です。
伝染様式 接触感染により発症します。特にタオル・ビート板により伝染することが多いです。掻くと周りに伝染して数が増えます。
治療法としては

    治療法         長  所        短  所
 自然治癒を待つ  2~3年で消失することが有る  掻いて水いぼが増加する
 ピンセットで切除する  短時間で水いぼを除去できる  痛みが強く、複数回の施行は困難
 いぼ取りの絆創膏を使う  痛みがない。  根気と時間が掛る



夜尿症

夜尿症の診断基準としては「5歳以上で1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認める事が、3か月以上つづく時」ものとされています。小学校1年生で約10%に夜尿症と診断される子供が居ます。夜尿症は家族集積性があり、時々両親のどちらか一方に長いことオネショが続いたとの家族歴があるばあいがあります。自然治癒傾向の強い疾患ですが、林間学校や修学旅行で困った事態になることがあります。学校でもこの点については配慮してくれるようですが短期間で治してくれ駆け込んでこられる方もあります。

治療法としては

  本人の治したいとう自覚が必要です。当院では「おねしょ克服ート」をなるだけ本人に記録して頂きます。
  朝食と昼食を十分にとり,夕食を就寝2時間前までに済ませます。
  朝から夕方にかけて十分水分をとり,夕食後は水分制限を行います。夜間睡眠中は無理にトイレに起こさない。
  夜尿のなかった日には褒めてあげて、本人の自尊心を高めるようにします。出来れば本人とよく相談し、ゴホウビを与えるようにします。
  尿量を減少させる内服薬
  アラーム療法




多汗症

身体が通常よりも過剰な量の汗を分泌する状態を指します。この症状は一般的に、手のひらや足の裏、脇の下などの特定の部位で特に目立ちます。多汗症には原発性多汗症と続発性多汗症の2つのタイプがあります。
原発性多汗症
一般的な「汗かき」です。神経伝達物質のアセチルコリンが分泌され、汗腺を刺激して汗をかきます。アセチルコリンを抑制することで、多汗症の症状を軽減することができます。そのため、抗コリン作用を持つ薬物が多汗症の治療に使用されます。最近比較的安全な製品が医療用外用薬品として発売されました。
続発性多汗症
甲状腺疾患・糖尿病・感染症による発熱・神経疾患・薬物の副作用などの基礎疾患により生じる多汗症についてはモトの疾患の治療が優先します。





過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、消化管には器質的疾患が存在せず、機能性消化管疾患として消化管の機能異常により腹痛、便通異常(下痢、便秘、交代性便通異常)をきたす症候群である。心理社会的因子との関連も強く、心身症の代表的な疾患のひとつである。
腸は「第二の脳」とも呼ばれる独自の神経ネットワークを持っており、生物にとって重要な器官である脳と腸がお互いに密接に影響を及ぼしあうことを「脳腸相関」と呼びます。例えば多くの人はでは、ストレスを感じると腸自身には病気がなくてもお腹が痛くなり、便意をもよおします。これは脳が腸にストレスの刺激を伝えるからです。この状態を過敏性腸症候群と呼びます。即ち、消化管には器質的疾患が存在せず、消化管の機能異常により腹痛、便通異常(下痢、便秘、交代性便通異常)をきたす症候群です。